お別れ会では主催者の方から参加者の皆さまへあいさつを行います。人前でごあいさつを行うことに慣れていない方にとっては大変難しく感じられることでしょう。そこであいさつ文の作り方や文例をご紹介します。無理に上手く話そうと意識せずに、心のこもったあいさつを行いましょう。
参加者へのごあいさつはどうしたらいい?
ごあいさつ文の作り方のポイントや注意点
あいさつは故人とのエピソードや今の心境なども交えながら、大体5分以内にまとまるように考えましょう。ゆっくりとした口調で話して、1分間に250字程度が目安です。緊張して内容を忘れてしまうかもと心配な方は、白い便せんにペンで書いたものを見ながら、ごあいさつして大丈夫です。また、あまり気にしすぎる必要はありませんが「忌み言葉」があります。不幸を繰り返すことを連想させる「重ねて」「たびたび」「返す返す」「次々」は使わないように、直接的な表現の「死亡」「死ぬ」は「逝去」「永眠」に言い換えましょう。故人の死を悼むとともに不快にさせない言葉使いを心がけます。
主催者がご遺族の場合のあいさつ文の作り方
お別れ会の主催者が故人のご遺族の場合のあいさつの流れですが、①お別れ会列席のお礼 ②亡くなった理由や状況 ③故人のエピソード・現在の心境 ④生前の厚誼のお礼 ⑤食事の案内・結びのことば で構成します。例文では故人の妻にしていますが、あいさつされる方の属性に合わせてアレンジできます。
例文(故人の妻の場合)
①本日は夫・○○○○のためにお集まりいただき、ありがとうございます。私は故人の妻の○○○○と申します。
②夫は去る○月○日の早朝、胃がんのために入院しておりました○○病院にて息を引き取りました。○○歳でございました。
③療養中はつらいこともあったと思いますが、私の前ではそんなそぶりを見せず、明るく振る舞っていた優しい夫でした。夫は学生時代から山登りが好きで、私もその影響で山登りを楽しむようになり、家族で富士山に登頂するなど、たくさんの思い出を残してくれました。
④生前、親しくしていただいた皆さまからご厚誼いただきましたこと、故人に代わって心よりお礼申し上げます。
⑤本日は心ばかりのお食事をご用意しましたので、召し上がりながら夫との思い出話などをお聞かせくださればと思います。ありがとうございました。
主催者がご友人の場合のあいさつ文の作り方
お別れ会の主催者が故人の友人の場合のあいさつの流れですが、①お別れ会列席のお礼 ②自己紹介 ③故人のエピソード ④現在の心境や様子 ⑤結びの言葉 で構成します。②③④は他の方があまり知らない故人との深いエピソードを入れると、故人の人柄が偲ばれるあいさつになります。
例文
①本日は、○月○日にご逝去された、故○○○○さんのお別れ会にお越しくださいまして、誠にありがとうございました。発起人の○○○○と申します。こんなにも多くの皆さまにお集まりいただき、改めて誰からも愛された○○さんの人柄が偲ばれます。
②私は、○○さんとは絵画教室で意気投合し、教室の仲間と日帰り旅行やボランティアなど、いろいろな所へ出かけました。
③○○さんはいつも冗談を言ったりして楽しい話題を振りまきながら、みんなを笑顔にさせる方で、「今を楽しまなきゃ」は彼女の口癖でもありました。
④たくさんの素敵な思い出がありますが、○○さんにはもう少し一緒にいてほしかったと皆さまも思われていることと存じます。
⑤このたびは、○○さんのご主人様とお嬢様にも起こしいただいております。○○さんとの思い出を語り合いながら、心ゆくまで○○さんを偲ぶことにしたいと思います。